ドクターズインタビュー
早川クリニックは、オーダーメイド治療で70年に渡り女性の健康をサポートしてきた、心斎橋の婦人科です。
早川潤院長と久本浩司副院長に、ヘルペスについて伺いました。
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interview 01ヘルペスは診断が難しい疾患だそうですが、どのような特徴があるのでしょうか。
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性器ヘルペスというのは、陰部にできもの(発疹や潰瘍病変)ができ、痛みを伴うことが多いのですが、よく似た症状を示す疾患が非常に多くあるんですね。
そのため、場合によっては非常に診断が難しく、間違われやすい疾患でもあります。
他の医療機関で梅毒や帯状疱疹などと診断されて治療していたけれど、実は性器ヘルペスだったというケースや、反対にヘルペスだと診断されて治療をしたけれどなかなか治らず、検査してみると別の疾患だったというケースは少なくありません。
当院では、ヘルペス診断のための検査キットを開発した専門家として、的確な診断に尽力しています。ヘルペスではないかと疑わしい場合は、ご相談にいらしてください。同じ治療を続けても10日以上病状がよくならないときは、ヘルペスでは無い可能性もありますので、当院に相談いただければと思います。
性器ヘルペスに初めて感染した際の症状は強く、場合によっては重症化することも多い為、早期診断治療が必要ですのでできるだけ早く受診していただきたいです。
また、性器ヘルペスは場合によっては再発を繰り返すこともある疾患です、再発に悩まれている患者様も非常に多くおられます、近年は、再発に対する治療の選択肢も多くあり、当院では再発を抑制するような治療や再発時にすぐ飲めるお薬を事前にお渡しするような保険適用の治療の提案などもしています、ヘルペスに関して不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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interview 02ヘルペスは、すぐに治療しなければならない疾患なのでしょうか。
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そうですね。ヘルペスは、迅速な治療がポイントとなる疾患です。できるだけ早く治療する方が治療効果がありますので。それに、治療が遅くなるほど再発率が高くなるという研究結果もあり、早めの受診と間違いのない診断がとても大切なんです。
病変によっては診断が難しいのに、迅速な治療をしなければならないとは、非常に厄介な疾患だと言えます。
当院は祖父の時代から70年以上続く婦人科ですが、昔から婦人科にはヘルペスが疑われる患者さまが多く、長年、診断が難しい疾患だとされていました。患者さまのなかには、いくつもクリニックを巡っても適切な診断がつかず、当院にたどり着いたころには疲れ果てているような方もいらっしゃいました。
それに、以前はヘルペスを疑ったとしても蛍光抗体法という検査方法が主流で、結果を得るのに1週間程度かかったんです。さらに、ほんとうにヘルペスだとしても3割ぐらいしか結果に出ないという感度の低さでした。
このような状況を目の当たりにして「もっと、よい検査方法はないのかな」と考えるようになりました。
そこで「抗原検査法ですぐに調べられるようにしたい」と思い、ヘルペスウイルスがいるかどうかがわかる検査キットを開発することに決めたんです。
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interview 03ヘルペスウイルス検査キットの開発は、大変でしたか?
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クリニックを経営しながらの開発だったので、けっこう大変でしたね。
検査キットの開発に必要となるのは、技術や臨床研究だけではありません。論文もたくさん書きましたし、そのためにたくさんのデータを集めましたし、講演会で発表もしなければなりませんでした。どうして検査キットを開発する必要があるのか、その効果はどうなるのかなどを、論理的に説明しなければ開発できないんです。
さらに保険適用にしようと思うと、国からの認可を得るにための資料なども必要です。開発までには、全部で5〜6年かかりました。
大変でしたが、振り返ると、このような開発過程はとても楽しかったですね。
そのあとも、ほかのメーカーが私たちの検査キットをベースにして新しい検査キットを開発したいというのでお手伝いして、一緒に開発したりと、さまざまな波及がありました。
いまでは、ヘルペスの検査キットは全国で使われるようになっています。まだまだ取り入れていないクリニックも多いですが、たくさんの患者さまのお役に立てていることが嬉しいです。
早期発見と早期治療のためにも、気になる症状があれば、当院を始めぜひ検査キットを導入しているクリニックを受診してください。